自分の悩みにマジメに答えてみることにした

東京でサラリーマンをしながら、エッセイを書いています。たまに書評ブログも。「3分間であなたに新しい視点をひとつだけ増やす」をコンセプトにほぼ毎日更新中。

学校が楽しくないのは何故ですか?

ぼくは高校1年のクラスで友達を作れなかった。

家から自転車で20分の高校に進学したので、同じクラスには知った顔も何人かはいたのだけれど、あまり話したことのない人ばかりで話しかけることができなかった。そうこうしているうちに、その知った顔もすぐに友達ができたようで、ぼくはさらに話しかける機会を失ってしまった。

 入学してからひと月たった頃には、大なり小なりグループができていて、みんなどこかしらの輪に加わっていたのに、ぼくは誰とも話すことができなかった。完全にひとりぼっちだった。

そんなある日、英語の授業で「二人一組を作り、会話文を交互に読みましょう。終わったら席につきましょう。」という悪夢のような課題が出された。周りがグループを作り音読を始める中、ぼくは一人で立ち尽くしてしまった。そのまま座ってしまえばいいのに、小心者のぼくは座ることすらもできなかった。最後に残ったぼくはすでに座っている横の席の男の子にお願いして、音読を始めた。その時のみんなの鋭い視線が怖かった。教室にはぼくと、横の席の子だけが声を出していたのに、頭の中に響くみんなの悪口で何も聞こえなくなってしまった。

大人になったぼく、学校が楽しくないのは何故ですか?

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今でも高校1年の頃を思い返すと、顔が引きつってしまう。

ぼくは昔から受け身のコミュニケーションを取っていた。「ぼくとは話したくないかもしれない」、「気持ち悪がられるかもしれない」と怯えて、自分からは話しかけられない。自意識がマイナス方向に過剰だった。その一番深いところには「自意識過剰だと思われたくない」という自意識過剰があって、負の連鎖でがんじがらめになっていた。

職業柄、医者と接する機会があるが、権威ともなると威圧感がすごいこともままある。会社の先輩と一緒にその医者と面会した時、先輩が医者から話を引き出すのがあまりにうまくて驚いたことがある。どうしたらそんなにうまくなれるんですか。と素直に聞いてみたら、こんな答えをもらった。

トライアンドエラーだよ。」

 

見えない視線から目を反らし、聞こえない悪口に耳をふさぐ。人を見て、人の声を聞く。楽しい生活を送るには、自分だけを見ていてはいけないんじゃないかな。