自分の悩みにマジメに答えてみることにした

東京でサラリーマンをしながら、エッセイを書いています。たまに書評ブログも。「3分間であなたに新しい視点をひとつだけ増やす」をコンセプトにほぼ毎日更新中。

いや、別に個性出そうとしてませんから。

無差別 SOUND BOY KILLER

この前、家に帰る途中で目を引くTシャツを着た男の子を見かけた。黒のTシャツの背中に黄色い文字ででっかく「無差別 SOUND BOY KILLER」と書いてあった。

なぜかふにゃふにゃの字体で、ぶっちゃけあんまりおしゃれに見えなかったから、「あぁ、自作か」って勝手に思っていた。

風呂に入っていた時に、何故か無性にさっきみた言葉が気になってスマホで調べてみると、我らがGoogle先生がすぐに教えてくれた。孔子曰く、

SOUND BOY KILLERとは、イケてるディージェイセレクターをSOUND MANと呼ぶことから、半人前とかショボい奴をSOUND BOYと呼び揶揄し、そんな奴らはKILLっちゃうぜという表現。
皆さんご存知日本語ラップのクラシックの1節をサンプリング。

"無差別"ってのはよくわからなかったけど、だれかれ構わず噛みつくぜ、みたいなことだろうか。

ちなみに、ネットでそのTシャツが売っていた。あまりにラップのことを知らな過ぎて、自作Tシャツとか言ってすみませんでした。

お値段は4,500円(税別)。イケてるDJの方などは是非どうぞ。

www.blackanny-tko.com

添加物不使用の搾りたて100%本音

色々調べて、あの男の子はラップとかそうゆうのが好きだったのかしら。と、想いを馳せながら(ゲイではない)、趣味を楽しんでいるであろう彼に非常に魅力を感じたのであった(ゲイではない)。

 

そう。趣味を前面に出していることには魅力を感じるものだよな、と確認しながら、同時に腹が立っていた。

 

今はもう転職してしまったが、以前勤めていた会社では今時珍しく年に一度社員旅行があった。しかも行先は海外。バブルかよ、と今でも思う。

その旅行の中日の夜、「世代を超えて交流しよう」という大義名分の下、全社パーティを行うのがお決まりだった。

会場には10人くらいの円卓がずらりと並べられていて、自由に座ることになるのだが、社員全員、仲の良い同期と席に着きたいがために集合時間の20分前には会場入りする。

「そんなんならやめちまえよ、こんなパーティ」と、冗談のトーンで言っていたが、内心は添加物不使用の搾りたて100%本音だ。

 

トライアスロン

ある年、ぼくはシャワーを浴びていたばっかりに、気づいたら集合時間の10分前になってしまっていた。急いで着替えて慌てて会場に向かったのだが、10席フルで空いている円卓はもうなかった。みんな同期と同じ円卓で楽しそうだ。

「いや、だからやめちまえよ、こんなパーティ。」って、たぶん声に出てたと思う。

 

見渡すと、同じプロジェクトの先輩がいる円卓が数席空いていたので、その席に入れてもらうことにした。その時だ。

同じ円卓に座っていた、そんなに親しくない男の先輩が急に話しかけてきた。

 

「個性ないからって、Tシャツで個性出そうとするなよ。」

 

その時ぼくは水曜日のカンパネラのライブTシャツ、トライアスロンTシャツを着ていた。黒Tシャツにでっかく赤字で"ア"と書かれた横に"トライ"と"スロン"があしらわれたデザイン。正直めちゃめちゃ気に入っていた。

 

その先輩に言われたことが最初まったく理解できなくて、「こいつマジで何言ってんの」状態。

その直後に、いや待て、「個性ない」って言われたぞって理解した瞬間、すげぇ勢いで怒りが込みあげてきて、顔に出ちゃってたと思うんだけど、何とか保って一言こう言ってやったよ。

 

「いやいや」

 

悔しかったなぁ。あの時。お前に俺の何がわかるんだ、と。

できれば、こう冷静に切り返したかった。

 

いや、別に個性出そうとしてませんから。

 

こないだ見かけたあの男の子なら得意のラップでまくしたてられたのだろうか、と想いを馳せる(ゲイではない)。