動き出すためにはどうすればいいの?
化学反応によって分子が化合物になるためには、いったん"遷移状態"と呼ばれる高エネルギー状態になり、"エネルギー障壁"を超える必要がある。エネルギーを加えない限り、分子は"基底状態"をひたすら保つ。そこにエネルギーの変化は皆無だ。
何を言おうとしているか勘のいい方はわかると思うが、人間もこれと同じだ。
自分自身に変化を起こすには、アクションまでの"エネルギー障壁"を超えるために"遷移状態"に持っていく必要があり、その最初のエネルギーが最も高い。
ある程度の立場を手に入れると、人間は"基底状態"に入る。このまま静かに生きていても、別に支障はないわけだし。と。
他の分子が化合物になっているのを見ると少し嫉妬するけど、ぼくには最安定状態の分子がお似合いだ。と、悲観的になる。これが、過去のぼくだ。
勇気を出してこのブログを"エッセイ"と称して書き始めてから、自分自身に変化が起こった。
誰かにぼくが考えていることを知って欲しい一心で、三日坊主のぼくがほぼ毎日記事を更新している。
Twitterで必死になって宣伝している。
書評も書き始めた。
過去のぼくはこんなやつを冷めた目で見ていた。
「素人が必死だな。」「誰も見てないぞ。」と。
今でも、自分の心の中にそいつはいて、時々暗いエネルギーをかけてくる。
化合物になれた僕を最安定状態に引きずり戻そうとする。
いまは化合物になれたばかりだから、状態を保つにもエネルギーがいる。安定するにはもう少し時間がかかりそうだ。
僕が大学時代に専攻していた有機化学では、化合物同士を反応させ、理想の化合物を合成するのが目的だった。一筋縄にはいかないかもしれないけど、一つ一つ"合成経路"を進めていこうと思う。